あきらめなかった花に重ねて
- bubethels
- 4月28日
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4年前にもらった胡蝶蘭が、今年ようやく花を咲かせました。

葉は傷つき、曲がってしまい、見た目も哀れなほどでした。それでも今年、蕾がつき、膨らみ始め、ついに白い可憐な花を咲かせたのです。その美しさに、諦めなくて本当によかったと心から思いました。
今年、看護師資格を取得したAさんの姿が、そんな胡蝶蘭と重なります。Aさんは10代で養護施設を出たあと、ひとり暮らしを余儀なくされました。高校を中退していたため、就ける仕事も限られ、当時は退所後の支援もない時代。生きるために転職を繰り返しながら、懸命に生活を続けてきました。
「自分は10代から働いている。」
その言葉には、重みがあります。誰にも頼ることができず、自分だけを頼りに生き抜いてきたAさんだからこそ、発せられる言葉でした。
施設を出た後も、担当していた職員は何年にもわたって手紙を送り続けてくれていました。Aさんは失業し、住む場所も失うような危機に直面したこともありましたが、その職員を通して出会った人々に助けられ、支えられてきました。
また、親とは長年会わず、「会うのは葬式の時だ」と思いながら生きてきたAさんですが、苦労を重ねながら親の介護にも向き合い、そして看護師資格を取得したのです。
Aさんの人生は、まさに試練の連続でした。「合格したよ。」その言葉に、心から「よく頑張ったね」「諦めなくてよかったね」と伝えたくなりました。胡蝶蘭の白い花を眺めながら、Aさんの歩みを思わずにはいられませんでした。
「わたし自身、あなたがたのために立てている計画をよく知っている──主のことば──。それはわざわいではなく、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。」(エレミヤ書 29:11/JDB)
Aさんが大切にしている聖句です。