暦の上では立秋を過ぎましたが、35℃を超える猛暑が続いています。
このところ、神奈川県では地震が頻発しており、テレビやスマホからは南海トラフに関わる情報が流れてきます。
入居者との間でも、災害の話題がよく上り、ヘルメットや懐中電灯を枕元に置いている、という子もいました。
ソワソワと落ち着かない日々ではありますが、緊急時の連絡方法や避難場所を確認したり、防災対策を他人事ではなく自分事として意識する良い機会にもなっています。
さて、この夏は愛川町でのバーベキューなど色々な出来事がありましたが、一番思い出深いのは7月に山中湖で行われた南関東ブロックの研修です。
まきばからは私が、オリーブからは2名のスタッフが参加させていただきました。
今回は、「山中湖でキャンプを行う」「水上でのイベントがある」等、事前に共有される情報が限られている中で、一体どんな二日間になるのだろう…と緊張しながら車を走らせました。
相模原市は神奈川県の北西部に位置しており、中でも私の自宅があるエリアは山梨県との県境に位置しています。
山中湖までは、道志みちをひたすらまっすぐ進み、一時間程で到着しました。
湖の向こうには富士山が聳え立ち、気持ちの良い風が吹いています。
研修はラジオ体操から始まりました。
くじ引きで3チームに分かれ、チーム毎にミッションをクリアしていきます。
詳しい内容は、来年以降参加される方へのネタバレ防止のために伏せておきますが、机に向かう時間がほとんど無かったにも関わらず、私にとってはいままで受けたどの研修よりも学びの多い時間でした。
これまで、ソーシャルワークを勉強していても、グループワークに対していまいちイメージが湧かない、ということがありました。
今回、身をもってグループワークを体験し、学ぶことができたと思います。
研修中に課されたミッションは、その一つ一つが、役割分担やコミュニケーションを始めとするチームワークを試されるものでした。
身体を使って取り組む内容が多く、何よりも運動が苦手な私は、予めミッションの内容を知っていれば、確実に今回の研修に参加していなかった気がします。
私たちは、年を取るにつれて安定を好むようになり、知らず知らずのうちに変化を避ける傾向があります。
対して、自立援助ホームにやってくる青年たちは、いままさに人生における大きな変化の渦中にいる、という場合がほとんどです。
その状況はひどく不安定です。
自分自身が安定した場所に立っていながら、不安定な状況を生きている子たちの内面に、想いを馳せることができるでしょうか。
私たちがしばしば、パターナリズムに陥る原因はここにあるのではないでしょうか。
支援者だけで机を囲んであれこれ議論しているだけでは、入居者が抱える本質的な問題に至ることはできません。
変化の渦中にある者の内面に迫るには、その渦の中に一緒に飛び込まなければならない瞬間があります。
今までの自分に欠けていた視点に、ようやく気付くことができました。
これは、それぞれに信念を持って日々の支援に取り組まれており、今回の研修に共に参加してくださった各ホームの方々、そして研修を企画・運営して下さった方々から学ばせていただいたことです。
今回の研修参加を通して、自立援助ホームとは、一朝一夕で解決できない課題を抱えた青年たちの居場所であり、だからこそ失敗を保証できる場でなければならないことを、改めて確認することができました。
問題の解決を急ぎ過ぎて本人の気持ちを置き去りにすることなく、入居中〜退居後も繋がり続けることで、共に問題に向き合っていくことができる、それが自立援助ホームの役割であり使命だと感じています。
思うように事が進まず、停滞しているように見える日々も、長い目で見ればきっと本人にとっての力になる。
そう思うと、一人一人の入居者と関わる時間が、かけがえのない日々の積み重ねに感じられるのでした。
改めて、共に喜びや悔しさを分かち合った参加者の方々、貴重な時間を提供して下さった千葉県みんなのいえと山梨県MIRAIの方々、そして深刻な人手不足の中にあって私たち3人を研修に送り出したくれたまきば・オリーブのスタッフに、心から感謝致します。
引き続き、暑さに負けず、皆さまの体調が守られますように。
Bình luận