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ありがとう!一本の電話!

 日々の暮らしの中、季節を感じられることで、ホッとしたり、エネルギーが満ちて来たり、新しい域に飛び込めたり、自然の気のもたらす影響のなんと多いことか、その恵みにどれほど頼っているかと、この暑い夏を過ごしています。

 昼間の時間がどんどん短くなり、朝明けも遅く、もう秋だなぁと、猛暑を潜って秋の香りを風が運んでくると、秋好きなわたしはワクワクします。


 そんな暑い夏の夜に、一本の電話がありました。

「先生、元気?」

「わ~久しぶり!どうした~」

「酔っ払うとさ~先生の声が聞きたくなるんだよ~」

「そうか~こんな声だよ」

「そんな声でいいんだよ~」

「先生 元気でいてね~」

「うん、今のところ元気だよ」

「先生、わたし71になったよ」

「そうか、すごい歳だね~、わたしもすごい歳だよ」

「知ってるよ。わたしと10歳違いだもん。先生、生きてるうちに会いたいね」

「そうだね。いつどうなるかわからないからね」


 60年も前の生徒からの電話でした。年に一度か二度、お酒に酔うと電話をして来るのです。専門学校を出て20歳から7年間関わった、その頃は隔離施設でしたが、生活を共にした子どもです。

 電話の最後に、

「あの学園時代が一番幸せだった気がするよ。殴られたり、蹴られたりの毎日から、離れられたし」

「そうか、色々あったけど、楽しかったよね~」


 電話を切ってから、「あの時代がしあわせだった」という言葉は、初めて聞いた言葉でした。色々な意味をもたらして、衝撃的な言葉となりました。

 しかし、さておいて、「生きていて良かった」と、私自身が感じる瞬間でもありました。


 今、まきばや、オリーブの子たちが、(そんな歳になるまでは、私はいないだろうが)退去後の彼らが少しの時間でも関わったこの場所や、時間を共にしてくれた職員を思い出して訪ねてくれることがあれば、それは何と素晴らしいことだろうか。共に過ごした時間や場所が、かけがえのない宝となっている証拠だと思われる。


 支援される側も支援する側も、互いに互いを必要として、学び合い、吸収し合い、共に助け合う人生を積み上げていく働きに、今日も携われていることに感謝して止まないことです。

 

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60年前の子どもと、60年前のクリスマス・ページェント懐かしのアルバムから

 
 
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​私はあなたに約束したことを果たすまで、決してあなたを見捨てない。​

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