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王様ランキングのはなし

こんにちは。昼夜の寒暖差がすごいですね。

インフルエンザも猛威を振るっているようで、対策をして気を付けていきましょう。


さて、皆さんは『王様ランキング』という作品をご存じでしょうか。

「ボッジ」というちっちゃい王子が、謎の生物「カゲ」と一緒に世界一立派な王様になることを目指す物語です。


ボッジ王子は生まれたときから耳が聞こえず、喋ることもできません。剣もまともに振るえないほど非力で、街中の笑われ者でした。

一方で義弟のダイダ王子は、剣術にも長け、努力家で、家臣からの信頼も集めていました。

ダイダ王子は、幼少期はボッジを慕っていながらも、成長して強くなるにつれ、何もできないボッジ王子をいつしか弱者として見下すようになっていました。


ある時、ダイダが弱々しく剣を振るっているボッジを見て「兄上は弱者だからと、どこか甘えていないか?」と剣術の指南役であるベビンに尋ねたことをきっかけに、べビンはダイダに街へ行くことを提案しました。

街に行ってみると、子どもや病人、老人など、ダイダから見れば弱者ばかりです。ダイダがなぜ街に連れてこられたか測りかねている時に、べビンがボッジ以上にハンデを持っている男を見つけます。その男は耳だけでなく目も見えないため、ダイダは困惑しながらも、その男を見て「オレだったら即自ら命を絶つ!」と言ったのです。

そんなダイダに、ベビンはこう言い放ちます。


「それは同じ境遇ならば生きていく自信がないということですか?」

「ならば彼はそれを乗り越え今を生きている強者ですな」


ダイダは、立派な王様になるために日々努力していました。努力をしたからこそ剣術の腕も上がってきたという自負があったのです。

それゆえに、非力なボッジを「甘えている」と捉えたのです。さらに「甘えている」理由をダイダなりに見出そうとしたときに、耳が聞こえず喋ることもできないということが「弱者」であるとレッテル貼りしていたがために、「弱者」だから「甘えている」という解釈が生まれたのです。

ダイダの発言は、ダイダの持って生まれた能力とこれまでの成功体験に基づく価値観が強く表れていました。そしてベビンは、そんなダイダに対して自己理解と他者理解を促しました。無意識に主観的な捉え方をしていること、相手の立場を尊重し、そのうえでその人自身の本質をフラットに見たときに、そこに強さがあることをダイダに分かってほしかったのです。

※私の勝手な解釈です


凄くこじつけですが、先日の全国自立援助ホーム協議会の大阪大会で登壇されたケアリーバーの方が、施設入所中に職員さんへ「お前に俺の気持ちなんて分かるか」と何度も言い放ったと話していました。それでも職員さんはそんな気持ちを尊重し、親身になって寄り添い続けてくれたそうです。


主観に囚われず相手の立場になって考えることは大事ですし、支援職にとっても不可欠だと思いますが、完全に理解することは困難です。分かった気になって同情、代弁、判断をするのではなく、まずは相手を尊重するということが一番基本的で一番大事なことなんだな、とダイダ王子を見ながら改めて思いました。


まあそんなことはどうでもよくて、王様ランキングとても面白いので皆さんもぜひ見てみてください。



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